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最高裁判所第一小法廷 昭和31年(あ)4628号 決定

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人大久保重太郎の上告趣意は、違憲をいう点もあるが、その実質は単なる訴訟法違反、事実誤認の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお、昭和三〇年一〇月一七日附検察官の被害者久保山和枝に対する供述調書の第七項末尾の記載-記録二九八丁以下-及び同人の告訴状-記録三一丁-とに徴すれば、被害者久保山和枝が本件犯人に対し処罰を希望する意思を表明しているものと認められるから、たとえ、右被害者が昭和一六年一〇月三〇日生れで、中学二年生であったとしても、告訴の訴訟能力を有していたものと認めるのが相当である。)

よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 真野毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 下飯坂潤夫)

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